ポルトガル 



 ポルトガルまでの道のり 
 今年のGWは並びが良いぞ! と会社の先輩と話したのが年初のこと(笑)。有給少ししか使わなくて良いならどこかへ行くべし! ということで、旅行に行くこと(自分の中で)決定いたしました。どうせ長期で行けるんだから、やっぱりヨーロッパだよね♪ とうきうきしたのも束の間、一緒に行ってくれる人見つからず……。
 え、じゃあ諦める? でも、せっかくの並びだよ? ここで行って有給をあまり使わないでいたら、また別なところにいけるかもよ(←これがミソ/笑)? ―――ということで、今回は一人旅です。でも、トラブルが恐いので個人旅行ではなく、ツアーに一人で参加いたしました。こっちのほうが勇気要るだろ!? というつっこみをたくさんの方からいただきましたが(笑)、ツアーのほうが移動のときに荷物持たなくて済むし、楽なのです。
 どうせ一人で行くなら、メジャーじゃない国にしよう。予算と出発日と一人部屋料金と……と考えて残ったのがバルト三国vsポルトガル。東欧好きなのでバルトに傾きつつも、全8日間の旅で3カ国はきつい……でも、ポルトガル〜? ポルトガルって何あったっけ? あ、マス○ーカードの世界!! 景色奇麗だったよね〜。どうせ次の機会もないだろうし、行ってみよう、うん。相変わらず動機は適当なのでした。


 日本から20時間の旅 
 前々日、旅行代理店の方より確認の電話アリ。「成田集合早いですけれど、よろしくお願いしますね」。……ええ、8時集合は早いですともさ! 家出るの何時? うわ、5:30の電車!? 最寄り駅から出ている直通バスを使えば楽なんだけど、GW前(しかも前日)ともなれば渋滞が恐くて諦める。乗り換えメンドイ〜荷物重い〜。
 ポルトガルへの入国手段はヨーロッパ内でのトランジットしかありません。大抵ヒースロー(イギリス)らしいのですが、今回はなぜかアムステルダム(オランダ)乗り換え。日本から約13Hほどかかります。しかも、トランジットまで約4Hもあるし……。で、同じツアーの人はアムステルダムの地を踏んでいましたが、珍しく乗り物酔いをしたRyanはそれも叶わず、空港内にあるリクライニングシートでひたすらぼんやりしておりました(涙)。うーん、損した気分。集合時間前に乗り換え手続きをしてゲートへ。そこから約3H飛んでポルトガルへと入国いたしました。
 隣り合ったのはオランダ語を喋る母娘。ご飯時にちょろっと会話をいたしました。「日本人?」「そうだよ」「一人で来たの?」「うん。ツアーだけどね」「お母さんは心配してない?」「完全個人旅行じゃないから、平気みたい。旅行好きだし」「そう、勇気あるのね(エライわ)」そういってデザートをお嬢さんではなく私にくださいました。 ……私、何歳に見られたのでしょうか(笑)?
 さて、飛行機から外を見たときになにやら不思議に思ったことがありました。でも、答えが出なくて、気づいたのはしばらくしてから。なんと、飛行機が夕焼けに向かって飛んでいるんです! 腕時計を見ると、ポルトガル時間で21時。ちょ、ちょっと待ってよ! 完全に夜なのに、何でまだ明るいの!? これに納得するのはまた翌日……。


∇ ここに地果て、海始まる(2日目) ∇
 ガイドブックで5月の気温は22℃とあり、「天気も変わりやすいので傘と羽織るものを持ってきてくださいね」というガイドさんの助言に従って荷物を準備したのはいいものの、外に出てみれば朝の段階で気温がすでに20℃以上! 寒さ対策ではなく、日焼け対策として役立つ上着……。この日は結局27℃まで上がりました……そりゃ朝から暑いって。
 さて、この日はリスボン付近の1日観光です。まず向かったのは大陸最西端と言われるロカ岬(→)。もちろん、この海は大西洋、身を乗り出すと簡単に落ちてしまいそうな断崖絶壁です。しかも海の向こう側に何も見えないって凄い!! あまりの景色にただ呆然。「本当に海だけ……」と呟き側にいたツアーのおばちゃんに笑われました。波が荒くて水飛沫が勇ましかったな……。
 ちなみにこの場所で「貴方は確かに最西端に来ましたよ証明」なるものが存在します。表にポルトガル語で書かれ、裏に6つの国の言葉で証明する旨と詩人カモネスが詠んだ「ここに地果て、海始まる」という言葉が書かれています。現地ガイドの人(日本人)は、「当たり前のことなんですけれどね。もう少し景色とか詠めば良いのに」とばっさり切り捨ててました(笑)。なお、この6つの言語の中に日本語が含まれていますが、ここ2〜3年で付け加えられたとのこと。なんでも証明書を買う大半が日本人らしいです。そんな私も洩れずに購入♪ そしてお約束のようにどこに保存すべきか検討中(6月現在)。
 さて、次に向かったのはシントラという山間の町で、気候もリスボン市内よりは少し過ごしやすいところ。かつてバイロンが「エデンの園」と称えたこの地は、離宮として使われた王宮をはじめ、貴族(お金持ち)たちの別荘が点在しています(実際、王宮の窓から見える第2の王宮? と思うような建物がたくさん見えるのです)。王宮に入って驚いたのは、フローリングがあること(笑)! だっていろいろなところで王宮見たけど、フローリングを見た覚えはありません。「素朴が好きなんです(多分)」というガイドさんの言葉を聞きながら有名な「黒鶫の間」へ。ここはこの離宮を建てた王様がメイドのおしゃべり好きを揶揄して天井に黒鶫を描かせたとか。天井画と言えば宗教画! という思い込みを訂正してくれる場所でもあります。鶫を見上げて「あ」と声をあげる人多数発生。―――すみません、天井板にそのまま描かれていますが、いいんですか(笑)? 
 この場所に関して後で後悔したのは陶器類を買いそびれたこと! 野菜の形をした受け皿とかが可愛くて、悩んでる間に時間切れで買いそびれてしまいました……。あとであるだろうと思っても同じ物は見つからないし、しかも高い! あああ、買っておけばよかった(涙)。
 この日のお昼は地元の人も来るというレストランでポルトガル名物、銀ダラの鍋料理を食べました。余談ですが、ポルトガル人はお客さんがくるときの料理を必ず鍋にするそうです。それはなぜか? 水増しするのが簡単だから(笑)。「今日ご飯食べに来ない?」と誘われた人は、大抵家族や友達も(予告なしに)連れてくることが多いそうです。日本のように野菜、メイン、その他に用意……とすると人数合わせに齷齪しますよね? それをしないために鍋にするのだとか。合理的と考えるか、手間隙を惜しむと言うべきか(笑)。ちなみに盛り方は適当。「えびを全員に同じように配る」とか「見た目が良くなるように」といったことは考えないそうです。曰く、「だってえびが多いのを好む人もいれば少なくていい人もいるでしょう?」とのこと。なので、トマトの輪切りも完熟だけではなく青くて硬いのも出ます。これに関しては「食べたかったら食べる」でいいそうです。
 さてさてポルトガルの話をここで少し。ポルトガルの人は穏やかな気候と地質に恵まれた土地で生活をしているため、”必死さ”というものがあまりないそうです(悪く言えば”なあなあ”)。なんせ家庭菜園をすれば実は生るし、水も飲めないことはない。税金さえ納めれば、ほら、生活できちゃう! そんな彼らの言葉に「がんばる」「一生懸命」「早起きは三文の得」という自身を励ます言葉はないそうです。がんばったって結果が良くなるとは限らないし、早起きしたからって必ず三文拾うとは限らないし……ってそれでいいのか(笑)? ちなみにポルトガルでは身体測定なるものはないそうです。日本人と違って純血の人はいないので、血が違えば発育も違うのは当然ということらしいです。
 お昼食べて満足〜♪ と言いながらリスボン市内へ戻ります。向かったのは1983年に世界遺産として登録されたジェロニモス修道院。大航海時代の先頭に立ったとされるエンリケ航海王子が建てた教会跡地に、マヌエル1世が彼を称えて建造したとされています。建物を構成するのは石灰石。雨に濡れると黒ずんでしまうそうです。でも、写真は奇麗でしょう? これは世界遺産に登録された際に掃除をした成果だそうです。中庭から見たら確かに屋根は黒ずんでたのです……。
 ここに眠る有名人はインド航海路を開拓したヴァスコ・ダ・ガマです。教会に入ると空気がやはり静謐としていて気分は旅行者から社会科見学者へ。ガイドさんの話によると、航海時代そのものを称えてもいるため、柱には小型海洋生物や南国の食べ物をモチーフにした模様が刻まれているとのこと。そういえばよくよく見ると……「うわ、これパイン!?」「この丸いのは?」「それは胡椒(香辛料)じゃないかとされてますね」こんな会話が延々と続く場所でもあります(笑)。
 ちなみにマゼランも世界を一周したポルトガル人ですが、祭られてはいません。それは、彼がお隣の国スペインから出発したからです。どうやらポルトガルとスペインの間には確執があるようで、「隣りの国から世界一周したってポルトガルの誉れではない!」ということのよう。これはマゼランに限らず、生活の上でもあるみたいです。例えば「朝日は嫌い、夕日が好き(→朝日はスペインのある方角だから)」「川は下るほうが好き(→上流はスペインに通じるから)」などなど。電車で他国へ行く場合は必ずスペインを通過する必要があるため、ちょっと抵抗があるとかないとか……。
 次はこの近くにあるベレンの塔。でも、塔といっても高さは3階建てくらいしかありません。ここは今でいう灯台のような役割を果たしていたそうで、テージョ川に出入りする船を監視する場所でもあるそうです。ここから10分ほど歩いたところにあるのは「発見の碑」。そう、世界史の教科書で出てくる白いアレです。エンリケ航海王子を先頭に、ヴァスコ・ダ・ガマやザビエルなんかも石像として並んでいます。アレ見て初めて「おお、航海時代!」とようやく実感いたしました。そして、観光客を目的にしたお土産屋さんの屋台が並ぶのです……でもガイドブックで書いてある相場より安いです(笑)。アズレージョと呼ばれるタイル絵(写真は次ページ)をここで購入いたしました。藍一色のものしかないのかと思えば水彩色のものあり、なかなか面白いですよ。



NRT   




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