ホリイ・マコト@Special Heart


■ It wishes reunion ■



木枯らしに枯葉が舞う中、登校中の脇坂雄一(わきさか・ゆういち)は、聞き馴染んだ声に振り向いた。
「雄一、待ってよ。」
自転車を立ち漕ぎしながら、幼馴染の河西拓也(かわにし・たくや)が雄一の隣に並ぶ。
「またケンカしたのかよ。」
拓也の頬に薄い痣を見つけて、雄一は顔をしかめた。
「だって、あいつらが仕掛けてきたんだぜ。」
思い切り嫌そうに拓也が答える。世話が焼けるこの幼馴染に、やれやれと雄一は首を横に振っていた。

遅刻常習犯の雄一は、今日も遅刻しそうな気配を感じながら、それでも焦ることなくゆっくりとしたペースでペダルを漕いでいる。
「それで、どうだったんだ?」
「圧勝!」
右手でガッツポーズをする拓也に、雄一は苦笑する。
「圧勝って顔じゃねえぞ。」
「しゃあねえだろ。向こうは4人だったんだぜ。」
慣れっこになっているとはいえ、雄一は大きなため息をついた。

拓也はその見かけが大人しそうに見えるためか、他校の生徒にからまれやすい。これまでも、何度もケンカ沙汰になった。もちろん無傷で済むことなどほとんど無い。だから、その度に雄一は心配をしなければならなかった。
自分が一緒ならば、いくらでも守ってやれるのに。見えないところで危ない目に合っている拓也に、いつしか雄一は、心配以上の感情を持つようになっていた。
「拓也、あんまケンカばっかしてると、志朗さんが心配するぞ。」
冷たい風に首を竦めながら雄一がそう言うと、不機嫌さをあからさまにして拓也が睨みつける。
「兄貴は、俺のことなんか気にしちゃいないよ‥‥。」
本当は、どれほど心配されているのかわかっているくせに、気の強い拓也は決してそれを認めようとはしなかった。

志朗というのは拓也の義理の兄で、血は繋がっていない。10年以上も前に離婚した拓也の父親が再婚した相手の連れ子なのだ。
義兄である志朗は、どれだけ拓也に冷たい態度を取られても、今は母親と二人暮しをしている拓也のことを、本当の弟のように可愛がっている。だが、拓也はいつまでたっても10歳も年の離れたこの義兄に、素直になることができないでいた。一人っ子の雄一から見れば、羨ましいことだったのだが。
「心配してくれる人がいるってのは、いい事だぜ。」
「じゃあ、俺には雄一がいるからいいや。」
照れたように笑い、それを誤魔化すようにハンドルを持ち上げて、拓也はウイリーをしながら自転車を走らせた。
その後姿を、雄一が切ない目で追いかけていることにも気がつかないで‥‥。

小学校、中学校といつも二人は一緒にいた。互いの家を行き来し、週末には泊まり合うほど仲がいい。
だが、それもいつまで続くのだろう。いつかは進む道が離れてしまうのだろうか。
「そういや、お前、進路決めたのか?」
拓也に切り出されて、内心焦る。雄一が懸念していたのは、まさにそのことだったからだ。
楽しかった学校祭も終わり、二人は否応無く受験戦争へと巻き込まれていく。中学3年の秋という季節は、特別な意味を持っていた。
「拓也こそ、どこに行くのか決めたのかよ。」
「俺?俺はもう決めてる。」
その言葉に、雄一の心臓は大きく波打った。

いつの間に‥‥。迷いのない拓也の目を見て、胸が潰れそうになる。今までそんな話は、ひと言も聞いたことが無かった。いつまでも一緒にいられたらと思いながらも、これ以上そばにいたら、密かに抱いている邪な感情がいつ爆発するかわからない不安も感じ始めている。
だから、雄一自身、進路を決めかねていた。拓也と同じ学校を選ぼうか、それとも離れようか‥‥。
だが、拓也はすでに決めているという。自分には何も言わないで。得体の知れないモヤモヤしたものが胸に広がり、らしくないぞと自分を叱咤した。
「どこなんだよ。」
「お前には言わねぇよ。」
唇の端を軽く持ち上げるように微笑むと、拓也は雄一を引き離すように漕ぐ足に力を込めた。

―――――お前には言わねぇよ。

何でなんだよ、と言いかけた言葉と一緒に、雄一はゴクリと唾を飲み込んだ。
ささいなひと言で、こんなにも不安になってしまうなんて。
拓也に振り回されることには、慣れている。気まぐれな幼馴染は、いつだって隠し事なんかしなかった。だから、きっと教えてくれる。笑いながら、話してくれる‥‥。
それでも、漠然とした不安は拭いきれなかった。

ギリギリセーフで校門をくぐり抜け、拓也は自転車小屋に自転車を置き、小走りで下駄箱へと向かう。
その後を追いかけるように走り出した雄一に、担任の広瀬の声がかけられた。
「脇坂!大変だ!今、連絡があって‥‥。」
少し先を走っていた拓也も、何事かと足を止め、後ろを振り返っている。呼び止められた雄一は、広瀬の言葉に顔面を蒼白させたのだった。

◆ ◆ ◆

「雄一‥‥。」
「大丈夫だ‥‥。前から心臓は悪かったから、こうなることは覚悟していたんだけどな‥‥。」
そう言って、雄一は拓也から目を逸らし、唇を噛み締めうつむいた。
作家である雄一の父親は、旅行先のホテルで心臓麻痺を起こし、近くの病院に運ばれた。担当の編集者から学校に連絡が入り、雄一が駆けつけたときには、すでに死亡確認が取られた後だった。
慌しく葬儀を終え、通いの家政婦だけが目を真っ赤にしたまま、後片付けに追われて忙しそうにしていた。
母親は雄一を生んですぐに亡くなった。小説家として有名な父親は、取材旅行に飛びまわり、いつも雄一は一人ぼっちだった。そんなとき、ずっとそばにいてくれたのが、拓也だったのだ。
拓也も忙しい母親との暮らしに、寂しさを感じていたのだろう。何も言わなくても、何となく気持ちが通じ合い、誰よりも互いのことをわかっているつもりでいた。

「これから‥‥どうすんだよ。」
「俺、転校することになりそうだ。」
「転‥‥校‥‥?」
「ああ。」

グッと何かが喉につかえてしまい、それ以上何も言えなくなってしまった。
「ど‥‥どこに‥‥行くんだよ。」
「金沢‥‥。」
その返事に、今度は拓也が言葉を詰まらせる。どんなに頑張っても、一緒にいられる距離じゃない。
雄一はまるで半身がもぎ取られるような痛みを感じていた。
「もう‥‥会えないのか?」
拓也の言葉に、何も答えることができなかった。離れていたって、友達だろう。そう言ってしまえばいいのに、何故か声が出てこない。
「金沢に‥‥行っちゃうのか?」
すがるように見つめられて、雄一は両手をグッと握り締め、暴れ出しそうになる心を、必死に繋ぎとめた。
「俺を‥‥一人にすんのか‥‥?」
涙交じりの拓也の声。行くなと言えないその気持ちが、痛いほどに伝わってくる。
「俺だって‥‥俺だって行きたくねぇよ!」
ずっと一緒にいたんだ。離れるなんて‥‥離れるなんて‥‥。
「だったら、こっちに居りゃいいじゃん。な、そうしろよ。」
「しょうがねぇだろ!法律じゃ、15歳は大人として認められていねぇんだからよ!大人が勝手に決めたことに従うしかねぇんだよ!」

雄一を引き取ると言ったのは、滅多に顔を会わせたことがない叔父夫婦だった。今まで何の音沙汰もなかったくせに、雄一に多額の遺産があると知るや否や、一緒に暮らそうと言い出したのだ。
そこそこ人気のあった父親の小説の印税が、出版社との契約で、雄一の元に支払われることになっている。それは、生活費としては十分すぎる金額で、叔父夫婦が何を目当てにしているのかは、雄一にだって理解できた。大人の都合に、利用されているだけだ。だけど、どうすることもできはしない。
「俺‥‥嫌だよ‥‥。雄一が遠くに行くなんて、嫌だよ‥‥。」
震える拓也の言葉に、キリキリと胸を締め付けるような痛みを感じた。幼馴染としての思いがそう言わせたのだとわかっている。わかっているけど‥‥わずかな期待を芽生えさせてしまう。

「拓也‥‥。」
気づいた時には、拓也を抱きしめていた。拓也は何が起きたのかわからない顔で、呆然としている。
抱きしめた腕を緩め、真っ直ぐに見つめた視線の先には、涙を堪えた瞳が揺れていた。
吸い込まれるように、雄一は拓也の唇に自分の唇を押し当てていた。

―――――バシンッ!

「何すんだよ!」
痛烈な衝撃を左頬に感じ、雄一はハッと我に返った。ケンカっぱやい拓也が、反射的に平手打ちを放ったのだ。
「お前、こんなときに、何考えてんだよ!」
こんなときだから、理性を失ったんだ。自嘲気味に微笑んで、雄一はひと言つぶやいた。
どうせ、もう離れてしまうんだ。だったら、いっそのこと、想いを遂げてやろうじゃないか‥‥。
父親の死と、拓也との別れに、少しばかりまともさを欠いていたのかもしれない。
「雄一、どうしちゃったんだよ‥‥。」
悲しげな目で見つめられ、後悔と罪悪感でいっぱいになる。
だが、これまで溜め込んでいた想いは、わずかばかりそれを上回っていた。
「拓也‥‥好きだ‥‥。俺、お前が好きだ‥‥。」

耳元を木枯らしが吹き抜けて行った。この世にたった一人ぼっちにされたような、耐え難い孤独感に襲われる。
胸の中で温めていた想いは、思いがけない形で姿を現し、そして、細切れになって吹き飛ばされた。
逃げるように駆けて行く拓也の背中をぼんやりと見つめ、空虚な心は冷めた微笑を浮かべている。
「バイバイ‥‥。」
別れを口にした途端、雄一の目から涙が零れ落ちた。

目を閉じれば、楽しかった思い出が蘇ってくる。そこにはいつも拓也がいた。眩しい笑顔と明るい笑い声。泣いて笑ってケンカして‥‥。どちらからともなく謝れば、いつしかケンカも笑い話となって二人を元の幼馴染に戻らせる。
さすがに、今回は、もう無理だろうな‥‥。
開けっ放しの玄関のドアを閉め、ぶたれた頬に手をやると、先ほどの拓也の悲しげな瞳が思い出された。
幼馴染のまま別れることができれば、再会の約束も交わせたろうに。
拓也は雄一の告白を聞くと、信じられないという顔で後ずさり、そのまま去って行った。
その背中を呼び止める勇気は残っておらず、雄一は転校の挨拶をするその日まで、学校に行くことはなかった。

◆ ◆ ◆

「‥‥そういう訳で、脇坂は金沢の親戚の家で暮らすことになり、今日でこのクラスともお別れだ。受験を目前にして残念だが、これからも、脇坂が頑張れるように、遠くからでも励ましてやろうな。」
広瀬の横で雄一は無表情のまま突っ立っていた。見渡す教室に空席がひとつ。拓也の席だ。
狙いすましたかのように、拓也は今日に限って学校を休んでいるらしい。
とことん避けられているのかと、かえって吹っ切れるような気がしていた。
翌日の引越しの準備があるからと、雄一はそのまま早退し、学校を後にした。
校門のところで振り返り、ここにも拓也との思い出しかなかったなと薄っすらと笑みを浮かべる。

自転車にまたがり、家路を急いだ。冬が近いと木枯らしが唸る。
しかし、吹き荒れる冷たい風よりも、雄一の心の中は冷えていた。一体、いつまでこの寒さが続くのだろう。凍える胸に手を当てても、温度が上がる気配はなかった。
胸に穴が開いたというのは、こういうことなのか。あるはずのものを失ってしまった虚無感。
失ってしまったのは、拓也への想いと、拓也自身‥‥。その大きさがどれほどのものだったのか、今更ながら思い知らされる。
思っていた以上に好きだったのだと気がついて、強く吹く木枯らしでも乾かせないほどの涙が溢れ出た。

家の前に止まっている車に気づき、眉をひそめた。見間違えでなければ、それは拓也の義兄、志朗の車だ。
自転車を降りてゆっくりと近づくと、運転席から志朗が降りてきた。雄一を見止めて軽く頭を下げると、志朗は助手席側にまわりドアを開ける。中からバツが悪そうに拓也が顔を出した。
「後で迎えに来るから、連絡を寄越してくれ。」
その言葉は、雄一に向けられたものなのかどうかわからなかったが、知らず知らずうなずいていた。
静かにドアが閉まり、車が通り過ぎていく。すれ違いざま、「拓也を頼む」と志朗の唇が動いたように見えた。

雄一は、無言のまま自転車を車庫に放り込むと、背中を丸めて玄関に飛び込んだ。何も言わずに、拓也もその後を続く。
靴を脱ぎ捨て、片付けられた部屋に入り、取り外されていないエアコンのスイッチを入れた。
「雄一‥‥。」
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で拓也が雄一を呼んだ。
どんな顔をしていいのかわからない。気まずさだけが部屋を占め、息苦しさに雄一は詰襟を外した。
「この前は‥‥ごめん。」
視線を合わせずに雄一は拓也に向かって、深々と頭を下げた。もう一度話せるチャンスが来るとは思ってもみなかった。せめて、自分の誠意だけは伝えたいと、精一杯の想いを込めて、拓也に謝った。

「えっと‥‥俺もさあ、あのあと、いろいろと考えたんだけど‥‥。」
指を組んだり鳴らしたりしながら、拓也は落ち着かない様子で言葉を紡ぐ。
「正直、よくわかんないんだ‥‥。」
そう言って、ふうーっと大きく息を吐き出した。
「わかってるのはさあ、やっぱ、雄一と一緒にいたいなって気持ちだけ‥‥。」
雄一の身体を何かが駆け抜けた。心に感じたのは、一筋の光。
「それで‥‥ちょっと変かなって思ったんだけど‥‥。」
言い難そうにしている拓也の真正面に立ち、次の言葉を待った。
「もっかい‥‥キスしてみてくんねぇ?」
「‥‥はぁっ?」
さすがにこれには雄一も目を丸くして驚くしかなかった。聞き間違いかと口を開いた瞬間、先回りしたように拓也が続ける。
「俺も、ちゃんと答えを出したいんだ。」
ふざけてはいない真っ直ぐな瞳。きっと、拓也なりに悩んでいたのだろう。雄一の告白を受け止めようと努力していてくれたのだと、熱いものが胸にこみ上げてきた。
「いいのか?」
「うん‥‥。なんか、いろいろ考えてたら、だんだんわかんなくなっちゃって‥‥。」
「でも‥‥。」
「今日は殴ったりしないから、大丈夫だって。‥‥あん時は、驚いたから‥‥そんで‥‥つい‥‥。」
だんだん声が小さくなって、同じペースで顔が俯いていく。雄一の心音が、それと重なって大きくなっていった。
こんなにドキドキするなんて、やっぱり好きだからかな‥‥。
「あっ、でも、ベロ入れるのは嫌だからな。」
キッと見上げて真面目にそう言う拓也に、雄一は思わず笑ってしまった。いつもと同じ穏やかな空気に包まれていくのを感じる。
「ん、じゃあ‥‥本当にいいのか?」
「ああ、気が変わらないうちに頼む‥‥。」
「それじゃ‥‥。」
ゴクッと喉が鳴って、聞こえやしなかったかと一瞬ヒヤッとした。
だが、目を閉じて待ち構えている拓也を見て、ホッと胸を撫で下ろす。高鳴る鼓動を押さえ込み、息がかかるくらいの距離まで近づいた。

「いただきます。」

引き寄せようとして、その肩が小刻みに震えていることに気がついた。怯えているのかと慌てて手を離すと、プッと拓也が吹き出す。どうやら、笑いを堪えていたらしい。
「いただきますって、何だよ、それ。」
「何って‥‥礼儀だろ?」
「バーカ。もっとこう‥‥あんだろ?」
「慣れてねぇんだよ、文句あっか!」
これじゃ、キスどころの騒ぎじゃないだろ。二人は大笑いをして、そして、その場に座り込んだ。

「なあ、来年から沢ノ井に寮ができるってこと、知ってるか?」
何もなかったかのように、拓也がいきなり話し出した。
ここからさほど遠くない男子校が、沢ノ井学園だ。わりと有名な進学校で、この中学からも受験希望者が多い。
「マジ?」
「俺、あそこ受けるからさあ、お前も受けろよ。」
「それって、俺に寮に入れってことか?」
「決まってるだろ!お前の頭なら、楽勝じゃん。」
「俺はいいけど‥‥拓也は大丈夫なのか?」
雄一の言葉が気に障ったらしい。確かに、拓也の成績では、ギリギリ‥‥落ちそうなランクだったからだ。
「兄貴に勉強を教わることにした。」
「志朗さんに?」
「まあな。だから、俺、頑張るから、雄一も高校はこっちにしろよ。そしたら、また一緒だろ?」
そう言ってニヤリと笑う拓也は、いつもの悪戯っ子のような目をしていた。

舞い上がりそうな心に、瞳がわずかに潤むのを感じ、拓也に見られまいと笑顔で誤魔化した。
嬉しいなんてもんじゃない。拓也が一緒にいたいと言ってくれた。その上、精一杯、雄一の思いを受け止めようとしてくれている。
また、一緒にいられる、そばにいられる‥‥。
「あ、でも、お前、進路決めてたんじゃなかったのか?」
思い出したように雄一は尋ねた。
「あれは‥‥雄一と一緒の高校に行くって決めてたってことだよ!」
照れたように、ぶっきらぼうに言い放ち、プイッと視線を逸らした拓也の顔が堪らなく可愛くて、雄一はそのまま押し倒してしまおうかと思ってしまった。
ダメだ‥‥ここは‥‥我慢のしどころだろう‥‥。
同じ高校に通うことになれば、まだ、きっとチャンスはやってくる。
「試験の日に会えるな?」
「ああ。」
「俺、そんときに返事すっから。試験の日に来なきゃ、返事してやんねえからな。だから、お前も受けろよ。一緒に‥‥絶対に一緒に沢ノ井に行こうぜ。約束だぞ。」
そう言って、拓也は静かに瞼を閉じた。
「ほら、さっきの続き‥‥。」
自分の言った言葉が恥ずかしいのか、耳まで赤くして拓也がつぶやいた。
そんな拓也が愛しくて、切なくて、雄一は胸が一杯になってしまう。こいつを好きでいてよかった。心からそう思った。

「いただきます‥‥。」

雄一は、吐息のような掠れた声とともに、触れるようなキスを落とした。

―――――ん?キスしていいってことは、もう答え出てるんじゃね?

相変わらず木枯らしは窓ガラスを叩いていたが、雄一の心には、ひと足もふた足も早い春風が甘い時間を運んで来ていたのだった。



■ END ■



テーマ:木枯らし/セリフ:いただきます
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